Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流



読みました。

面白かった。
Twitterが政治や社会の中でどのように使われているか、その利点と問題点が具体的事例をあげながら述べられていてわかりやすい。

特に検索機能について「Googleの検索に対しTwitterは最新のものから表示される」というのが、使ってるからわかってたことなのに、解説されてその価値がわかりました。どの情報にも優劣がなく時系列で表示されるんです。

またTwitter上でも誤用と思われる使われ方をされている場合もある「tsudaる」ということが詳しく解説されてます。

最後の勝間和代さんとの対談は読んでていろいろ考えますね。
日本でキャズムを越えるのはいつだろう。
キャズムを越えて古株ユーザが「オレたちの遊び場がシロウトに荒らされた!」って言い出した時にそのユーザはどこに行くのでしょうか。



面白く読めたのはTwitterでの津田さんのつぶやきに好感を持ってるから、というのも大きいかもしれない。

洋泉社のしおりがいいです。

ライフ・イズ・ジャーニー



毎度Twitterの話題ですが、田辺誠一さん(@tanabe1969)がTwitterを始められまして、そのつぶやきが面白いのですよ。
で、前から興味のあったライフ・イズ・ジャーニー(これってカタカナ表記が正しいの?)を観ました。

4つの短編で、「life」が一番好きです。
大塚寧々さんが美しいのですよ…。
ちなみにラーメンズの小林賢太郎さんは台詞なし、少ししか出てきません。笑

で、面白いのは作品と同じくらいのボリュームで監督・田辺誠一さんのインタビューが入ってるんですよ。
ちょっと語りすぎじゃないか!?と思うくらい細かく話されてます。
デジタルとフィルムのカメラの違いについて語っているインタビューはなるほどな〜と。

でもあまりにもTwitterでのつぶやきが面白くて映像の中の田辺誠一さんを観てもどこかおかしい気分なのでした。
役者さんの場合あまりにも個人の印象が強いとどんな役やってもそれが出ちゃうから、素を見せるブログなりTwitterなりの利用はなかなか難しいのでは。
いや私が影響を受けすぎなのかもしれませんが。

DESIGN TOUCH Conference「デザインの可能性」

デザインとは?

デザインを「センスよく、いいお絵描きをすること」のように考えている人もいるが、それは違う。デザインは変わったものを作るんじゃなくて、いいものをつくること。



昨年に引き続き今年も聴いてきました。
DESIGN TOUCH Conference「デザインの可能性」
アートディレクター水野学さんの講演です。

なぜデザインが必要で、なぜデザインが大事なのか。

つらつらとまとまりなく書いておきます。



「ラーメンズ」

まさかミッドタウンで日本語学校アメリカンを観るとは思いませんでした。
ラーメンズは私も好きで、会場でも知っている方がほとんどだったのですが、テレビにほとんど出ることのない彼らを知らない人もたくさんいます。でも、ラーメンズは成功している「ブランド」だと思います。

ラーメンズは知っている人と知らない人をあえて分けています。
「この人のファンである自分がかっこいい」とファンであることがステータスになるような見え方を演出しているそうです。

そうすることによって

やっぱりラーメンズはかっこいい。

      ↓

ファンは自慢し周りは憧れるというサイクルをつくる。

      ↓

さらにファンが増える。

というわけです。



これは昨年のカンファレンスで話されてたことなんですが、こういうブランディングが可能なのはラーメンズにそれだけの実力があるからだそうです。

今年の公演「TOWER」には運良く大千秋楽に行くことができました。会場で配られるフライヤーは手が込んでいてずっととっておきたいです。ブランディングにまんまとはまってます。楽しいからいいんだけど。



「ブランドは、デザインによって作られる」

これはどのように企業がブランドイメージを発してるかということかなと思うのですが、

ユニクロ
アップル
資生堂

があげられていました。

企業にとっていいブランドイメージがあるということは、優秀な人間が集まり、さらに発展することに繋がっていくそうです。




これからの時代に強いのは「デザインの力を信じている」企業

コンピュータが普及し、多くの仕事は機械化できるようになりました。
でも、コンピュータにまだできないこと、それは創造することです。
だからデザインが大事になってくる。



コンセプトは「地図」のことである

コンセプトは地図であって目的ではない。地図を大事にしすぎると目的地にたどり着けない、だからとらわれすぎてはいけない。
例えばポスターなら、見てもらうことが目的であるから、どうデザインするかより、どうすれば見てもらえるかを考える。

そしてコンセプトで大事なのは平易で短いこと。そうすることで関わるスタッフが共有しやすく、迷った時に立ち返ることができる。



「ブランディングは擬人化することでアウトプットしやすくなる」

これはミッドタウンを事例に説明されてました。
キャラづけということでしょうか。よくドラえもんで例えると誰?という話をするそうです。



「財産を最大限に活かす」

事例は中川政七商店。
老舗ではイメージを一新しようと「壊す」ことをしがちだけど「活かす」ことを考えるべき、だそうです。



これからの時代に大切なのは「コンテンツ」ではなく「コンテクスト」

魅力的な「物語」をいかにしてつくりあげていくか、が大事。



アートディレクターとは何か?

水野さんがされてるのは「デザイン」と「コンサルティング」ですが、これはつまり経営者の右脳になること、だそうです。経営者の方の右脳を担当することで、その分左脳に使ってくださいという姿勢でされているそうです。



これからの時代は一億総クリエイター状態。誰もができる、だからプロは質を求められる。
で、質を上げるために実践されてるのは

「一時間50案」と「考える」ということだそうで。

「一時間50案」というのは50案出すのではなく出る状態にすること、アイディアを机に出すことが大事なんだそうです。人に見せることでアイデアがパワーアップするから。

「考える」というのは、ひとつの言葉で表してもその定規はその人の中にあるから比べられない、だから考えるんだそうです。

考える=疑う+識る(しる)+伝える



講演を聴いて思ったのは、デザインというものを考える時に消費者やユーザに目がいきがちだし、いくのは当然だと思うんですが、それをつくる人のことを考えるのも同じくらい大事だな、と思いました。自分一人でつくれるものには限りがあるから、誰かと共有することを考えなければいけないのかな、と。



また機会があれば水野学さんの講演聴きたいです。